ショパン名盤ピアノ曲5選-強烈な印象を残した歴史的録音レビュー | ショパンを弾くには?曲の難易度、曲目解説、ピアノの弾き方を解説



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ショパン名盤ピアノ曲5選-強烈な印象を残した歴史的録音レビュー

ショパン名盤ピアノ曲5選-強烈な印象を残した歴史的録音レビュー
ショパンはポーランドで誕生したピアニスト兼作曲家で、ピアノ曲だけに全身全霊を捧げ、 ピアノ界に新たな境地を開拓しました。

メロディの繊細さといい、美しさは他に類を見ないほど素晴らしく、世界中で多くの 人に親しまれ、愛されています。

ショパンのピアノ曲の多くは技巧的で高度な演奏技術を要するものが多く、宝の山であると同時に、 ピアノを学習する人であれば誰もが通過しなければならない断崖絶壁のような関所と いえます。

またショパンが生きた時代は、音楽にも大きな変革期を迎えており、最大の引き金と なったのはピアノの発達と進化です。

ピアノが進化すれば表現力がより一層拡大し、アルペジオ、半音階奏法、レガート、二重音、三度、六度、オクターブ、分散和音、シンコペーションなど演奏技術も、それに伴ってより高度なものが 誕生しました。

やはり人間は難しければ難しいほど挑戦し甲斐があり、モチベーションがあがるもので、数多くのピアニストが腕を振るってショパンに挑戦しています。

というのもショパンはピアノ演奏会の華みたいなところがあるので、ショパンを弾きたがるピアニストが多いから であることは当然なのかもしれません。

一流のピアニストの中で、ショパンを弾いたことがない人は、例外的な存在なのではないだろうかと 思えてくるほどです。

またこれに伴って星の数ほど膨大な録音を遺しており、しかも大昔の録音も、LPやCDに復刻されているため、 歴史的録音はいくらでも聴くことができるのは嬉しいものです。

そんな中でも、すぐにその演奏が明確に思い出せるほど強烈な印象を残した選りすぐりの録音を抜粋して紹介します。

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ショパン名盤ピアノ曲5選

ショパン全集~コンプリート・ステレオ・レコーディングズ

ショパンと同じポーランドに生まれたアルトゥール・ルービンシュタインですが、流石に ポーランド人の血が流れているだけあって、ショパンの演奏には、これほど向いているピアニストは他に いないのではないかと思えてくるほどの素晴らしい演奏を残しています。

豊かな学識と音色感覚にささえられたその演奏は、確かな説得力があり、 聴いていて幸福感が沸き上がるような、まさにピアノの王様が演奏するショパンを思わせる風格が あります。

とくにポーランドの民族舞踊であるポロネーズを聴くと、自由自在のテンポ、メリハリのある グラデーションが綿密になされた音色をベースに 慎重に吟味されたリズムやメロディが、立体的に描かれているところが素晴らしいです。

まさに細部にまでこだわりぬいた、職人技を思わせる凄みを感じます。

ホロヴィッツ・ショパン・コレクション

ホロヴィッツは鍵盤の魔術師と呼ばれることもあるほど、自分の意のままに弾くタイプの ピアニストです。

ホロヴィッツの録音を聴くと、 録音の出来具合にはかなり楽さが激しい部分があるのは確かなのですが、彼の長くてしなやかな指使いはかなりオリジナリティに富んでおり、そのパンチの効いた迫力と、独自のペダルやアクセント奏法を耳にすると、そのような不満は 吹き飛んでしまうほど熱狂させられてしまうから不思議です。

とくにマズルカが洗練されており、フレーズの一音一音を形成する中にあって、結晶的な美しさ がそっと心に響きわたり、比類のないほど美しい世界を描いています。

社交的なサロンにおける、名人とは、きっとこういった演奏を 指すのだろうと思えてくるほどの演奏です。

ホロヴィッツは全曲録音をするタイプのピアニストではなく、自分の気に入った曲だけを抜粋して弾くタイプ のピアニストであるので、ワルツ全集、ノクターン全集、エチュード全集のような まとまった録音は存在しないのですが、つまみ食いの抜粋演奏でも十分すぎるほど満足すると思います。

ショパン:前奏曲集(全曲)

2005年ショパンコンクールの優勝者であるブレハッチによる録音です。

プレリュードは、多様さの中に多くのアイデアが含まれていて、繊細な色彩感、怒涛のような ダイナミックな響きなど、音楽性や情感という点において、 これほど優れた曲集はないのではないかといえるほどの傑作として知られています。

ブレハッチ自身とても小柄で華奢な体格であるにもかかわらず、きわめて 精巧なテクニックを持っていることには驚嘆させられます。

15番、21番のようなゆったりとした静かな曲は、輝きのある音色とともに、一曲一曲 丁寧なアプローチがきわめて印象的で、逆に16番や24番のような荒々しい曲は、パワフルでスケールの大きい演奏を聴かせてくれ、細部の表現には冴えもみられます。

全体を通じてエレガントで知性と感性のバランスがほどよくとられた名演といって過言ではありません。

>ショパンコンクールライヴ(マルタアルゲリッチ)

1965年のショパンコンクールの優勝者であるマルタアルゲリッチによる録音です。

男顔負けといえるほどの熱演を披露してくれることで有名なマルタアルゲリッチですが、 コンクールで演奏した歴史的演奏が今でも聴けるのは本当にありがたいことです。

今までに聴いたことのないほどの高速なスピードで力強く弾きこなすエチュードOP.10-1、 威勢の良い中に悲しみが滲み出ているスケルツォ3番は、尋常ではないほどの盛り上がりを 見せるコーダは圧巻であるとしか言いようがありません。

また大曲であるソナタ3番やピアノ協奏曲1番は、だれもが到達できないであろうというほどの風格 覇気がただよっており、極めて高水準であることが、すぐに実感できるはずです。

これほどの腕を持つマルタアルゲリッチは、驚くほど録音の数が少ないのは残念なのですが、 このショパンの録音は、彼女の実力が凝縮された貴重な一枚として永遠に廃れることがないでしょう。

ショパン:別れの曲(ピアノ名曲集)

フランス人ピアニストのサンソンフランソワですが、彼もかなりの数のショパンの録音を 遺しています。

正統派の王道ピアニストとは路線がかなりかけ離れており、まるでお酒をガブ飲みした酔っぱらいが 演奏したかのような、直感的でかつ即興的な感興にみちたフラフラとした演奏がとても衝撃的です。

アシュケナージ、ポリーニなどの万人受けしやすいお手本となる演奏とは、ほど遠いため、意見が真っ二つに 分かれるのはほぼ予想できます。

はじめて彼の演奏を聴くと違和感さえ感じるかもしれませんが何度も何度も聴いていると、このような 奇抜な演奏が、歌心にあふれていて、リズムの乗りの良さ、多彩な音色とリズムを含めて、 さまざまな要素を巧みにコントロールできる力量の持ち主であると思えてくるから滑稽です。

聴き終わったあとには、爽やかな印象を残すでしょう。

まとめ

以上がショパン名盤ピアノ曲5選でした。

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