ショパンエチュード(練習曲)全曲解説【動画付き】
ショパンはエチュードのタイトルでOP.10、OP.25、3つの新しい練習曲を
作曲しています。
エチュードとはもともと練習曲つまり指の練習のための曲集です。
チェルニーやクレメンティなどが練習曲というタイトルで出版していますが ショパン自身もこれらの練習曲で練習を積んだといわれています。
ショパンのエチュードは、指の練習のための曲集というよりむしろ、 指の練習としての側面だけでなく、豊かな音楽性を兼ねそろえた理想的な曲集 を作曲したといって過言ではないでしょう。
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エチュードとはもともと練習曲つまり指の練習のための曲集です。
チェルニーやクレメンティなどが練習曲というタイトルで出版していますが ショパン自身もこれらの練習曲で練習を積んだといわれています。
ショパンのエチュードは、指の練習のための曲集というよりむしろ、 指の練習としての側面だけでなく、豊かな音楽性を兼ねそろえた理想的な曲集 を作曲したといって過言ではないでしょう。
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ショパンエチュード第1番 OP.10-1
左手のオクターブの旋律をベースとして、右手のアルペジオ の演奏技術を習得するためのエチュードです。
エチュードの中でも最難関の部類に入る曲で、 手が大きい人のほうが圧倒的に演奏するには有利です。
楽譜の種類によって指使いの指定が異なっている部分が多く見受けられました。
特に右手の下降部分に関しては、現在の楽譜の指使いでは、どうしてもうまく 演奏できないという場合は、別の楽譜を使用してみるというのも有効だと 思います。
ショパンエチュード第2番 OP.10-2
右手の3,4,5の指を使った半音階の練習曲です。
ショパン以外の作曲家でもエチュード集を作曲した人は沢山いますが、 このタイプの独特な指の動かし方をする曲は、私の知る限りこの曲だけです。
日常生活においてあまり利用しない指であるため、この曲を演奏するにあたり 非常に演奏しづらいと思えることだと思います。
この曲を機会に、普段使わない指を徹底的に使い込んでみましょう。
ショパンエチュード第3番 OP.10-3 【別れの曲】
ショパンの作品中、もっとも有名な曲のうちの一つです。
主題の旋律は大変美しい旋律であり、リストはこの曲に対して【これほど美しい旋律を今まで書いたことがない】と言ったと言ったそうです。
この箇所については、演奏技術面ではさほど難しくありません。
一方、中間部の両手の6度のパッセ-ジが連続して出現する箇所が 異様に難しいというのが特徴です。
この曲が弾きたくてピアノを始めたという方もいらっしゃると思いますが、 まずは主題の部分だけ演奏できるようにすると良いでしょう。
中間部は確実に壁にぶち当たりますので、ある程度練習を積んでから、 再び中間部にチャレンジしてみて下さい。
ちなみに101回目のプロポーズというドラマが昔大流行していたことがありましたが、 そのときに武田鉄也さんが一生懸命練習していた曲がこの曲です。
このドラマがきっかけで、別れの曲の楽譜が飛ぶように売れまくったそうです。
ショパンエチュード第4番 OP.10-4
右手の高速のパッセージを、左手が模倣していくような構成になっています。
スタッカート、アルペジオ、半音階など多彩な演奏技術を必要とされる曲で、 大変演奏効果の高い曲です。
ちなみにクラシック音楽をテーマとしているのだめカンタービレというテレビドラマで この曲が流れていたことが影響して、曲の知名度アップにつながったかと思われます。
ショパンエチュード第5番 OP.10-5【黒鍵】
ショパンのエチュード作品の中でも有名な曲の一つです。
左手のスタッカートの伴奏をベースとして、右手は黒鍵ばかりを使った 旋律が流れてくるというのが特徴です。
エチュードの中では演奏しやすい部類に入りますが、決して易しい曲ではありません。
中級者の方であればチャレンジしてみる価値はありそうです。
ショパンエチュード第6番 OP.10-6
エチュードの中では珍しく、ノクターン風のゆったりとした曲です。
内声の16分音符をレガートでつなげるための練習曲です。
演奏技術面では、さほど難しくありませんが、いかにして 暗い憂いを表現するかという音楽的な部分が大きな課題となってくるでしょう。
ショパンエチュード第7番 OP.10-7
右手の3度と6度の徹底的な練習曲です。
右手の動作は、曲の始めから最後までほぼ同じような動きが 必要とされるため、あまり力を入れすぎると右手がヘトヘトになります。
うまく脱力しながら演奏するようにしましょう。
ショパンエチュード第8番 OP.10-8
右手のアルペジオの中で、左手のメロディーを浮き立たせるための練習曲です。
エチュードの中では大規模な曲の部類に属しますが、 理不尽な指使いをする箇所はほとんど無いため、難易度はさほど高くないです。
ある程度練習を積めば、必ず演奏できるようになる曲です。
ショパンエチュード第9番 OP.10-9
曲全体が憂いが込められいて、かつたいへんヒステリックな曲です。
左手の演奏については、広範囲の鍵盤の打鍵が必要となるため、 手の小さい人は演奏が難しく感じると思います。
全体的にみると、OP.10-6と同様に、演奏技術はさほど難しくないのて 中級者であれば十分対応できると思います。
ショパンエチュード第10番 OP.10-10
右手の6度を中心とした練習曲です。
楽譜の指示を良く見てみるとわかるのですが、右手の主題がでてくる度に、スラー、スタッカート、アクセントなどの細かい指示が指定されています。
この指示通りに演奏するとなると、かなりの難曲となります。
ショパンエチュード第11番 OP.10-11
両手とも、広い音階にわたるアルペジオの徹底的な練習曲です。
楽譜を始めて見た時、とても難しそうに思えるかもしれませんが、 見た目ほど難しくありません。
手が小さい人は演奏しずらくなると思いますが、ほぼ同じパターンでの演奏が 繰り返されるので、きちんと練習すれば演奏できるようになると思います。
ショパンエチュード第12番 OP.10-12【革命】
ショパンエチュード臭の中でも非常に有名な曲です。
この曲にはエピソードがあり、ショパンが祖国ポーランドからパリに来る途中、故郷のワルシャワで革命が起こり、ロシア軍によってワルシャワが鎮圧されたという通報を受けたショパンが 憤慨の念を込めて作曲したと言われています。
左手の徹底的な練習曲なのですが、革命という名に相応しく、左手の連続はまるで 【怒りの溶岩】のようです。
革命の録音をしている演奏者は星の数ほど存在しますが、いままで聴いてきた演奏の中で もっとも凄みを感じたのは、ショパンコンクールでのブーニンの演奏です。
上記動画は貴重なコンクール当時の映像ですので必聴です。
ショパンエチュード第13番 OP.25-1【エオリアンハープ】
両手のアルペジオの演奏の中で、主旋律を浮き立たせるための練習曲です。
楽譜を見ると、音符がギッシリ詰まっていて難しそうに見えるかもしれませんが、 一定のパターンに従って演奏すれば済むので、難易度はさほど高くありません。
中級者程度の方であれば、十分手の届く曲です。
ショパンエチュード第14番 OP.25-2
2拍子の右手と、3拍子の左手を交互に組み合わせる練習曲です。
この曲も演奏難易度としてはさほど高くありません。
ちなみにこの曲にはショパンが結婚を望んだマリアという女性の魂を描いた音による肖像画 とショパン自身が語ったというエピソードがあります。
ショパンエチュード第15番 OP.25-3
右手の2、3の指による独立を図るための練習曲です。
主題が出てくるたびに、アクセントや音形に変化があることに注意が必要です。
ショパンエチュードの中ではあまり存在感の無い曲かもしれませんが、 ショパンを極めようと思った方は、一度は演奏してみて下さい。
ショパンエチュード第16番 OP.25-4
シンコペーションの演奏技法を習得するための練習曲です。
全体的に、せかせかとして落ち着きの無い曲であるという印象です。
この曲もOP.25-3と同様、あまり存在感の無い曲ですが、ショパンコンクール第10回で優勝した ダンタイソンが超高速で見事に演奏しきった上記動画は是非とも見てみてください。
ショパンエチュード第17番 OP.25-5
同じ音形を3つの異なるタイプで演奏する練習曲です。
特に中間部では、左手の内声部を浮き立たせる箇所の旋律の 美しさは絶品なので、必聴です。
ショパンエチュード第18番 OP.25-6
右手の3度のパッセージの徹底的な練習曲です。
3度というのは人間の手の構造上、非常に動かしにくい動作であり、 楽譜の種類によっては指使いの指示が随分異なっているようです。
エチュードの中でも屈指の難曲といわれている曲ですが、 指使いの指示によっては、難易度が随分変化しますので、 今の指使いでうまく演奏できないのであれば、別の指使いで 試してみるというのも良いかと思います。
ちなみにショパンコンクール第5回ではアシュケナージが この曲を物凄いスピードであっさりと弾ききったということで 審査員をアッと驚かせたそうです。
ちなみに上記動画はショパンコンクール第10回でのポゴレリッチの演奏です。
かなり早いテンポでアッサリと演奏しているのには驚かされます。
ショパンエチュード第19番 OP.25-7
OP.10-6同様、ノクターン風の曲です。
エチュードに分類されていますが、単独で「悲歌」という タイトルとして出版したほうが良いのではないかと思える曲です。
演奏面では、左手が主旋律であり、右手が伴奏という演奏スタイルになっていて プレリュードOP28-6と類似している部分が見受けられます。
ちなみに、この曲は別名「恋のデュエット」とも言われているようです。
ショパンエチュード第20番 OP.25-8
右手の6度のパッセージの徹底的な練習曲です。
この曲もOP.25-6同様、とても難しいエチュードのうちの一つです。
最初から最後まで徹底的に右手で6度のパッセージを演奏しなければならず、 手が疲れ果てるというのが正直な感想です。
バラード、舟歌、ピアノ協奏曲を演奏できるようにするためには 6度の演奏技術の習得は必須であり、逃れることのできない宿命です。
是非ともこの曲を徹底的に練習してみて下さい。
ショパンエチュード第21番 OP.25-9【蝶々】
右手のオクターブとスタッカートの徹底的な練習曲です。
とても曲がみじかく、蝶々という名にふさわしい可愛らしい一曲です。
ショパンエチュード第22番 OP.25-10
両手のオクターブの半音階の徹底的な練習曲です。
主題はとても荒々しい曲想ですが、中間部で一瞬だけ 静かなパッセージになり、再び荒々しい主題が登場するという ショパンではよくあるパターンの構成になっています。
この曲を演奏するにあたり、4,5の指をうまく使い分けることが 大切です。
できるだけ黒鍵は4の指で演奏すると演奏しやすくなると思います。
ショパンエチュード第23番 OP.25-11【木枯らし】
木枯らしとして知られているショパンのエチュードの中でも 有名な曲です。
冒頭の4小節のパッセージが主題となっていて、これに装飾音を大量に付した状態で、 高速なパッセージをひたすら繰り返していくという形式になっています。
右手はあまり力を入れすぎると途中でバテてしまって最後まで持ちこたえることが できなくなりますので要注意です。
中間部では左手で高速なパッセージを演奏する箇所に切り替わりますが、 ここで右手を十分に休養させるようにしましょう。
この曲はショパンエチュードの中でも難易度が高く、かつ聴き手に大きなインパクトをもたらす曲です。
特にコンクールの場になると、自分をいかにアピールするかが 競われる場であるので、できるだけインパクトの強い曲を 多くの演奏者が選択するようです。
ちなみにショパンコンクールでは、エチュードの曲を選択する必要があるのですが、 最も演奏される機会の多い曲が、この木枯らしだそうです。
ショパンエチュード第24番 OP.25-12【大洋】
両手のアルペジオの練習曲です。
ショパンエチュードを締めくくるに相応しい、壮大でドラマティックな傑作です。
まるで荒れ狂う大海のうねりの如く圧倒的な音量で聴く者を圧倒していき 大音量でクライマックスに至る部分は、聞き応え満点です。
曲全体が分散和音になっていますが、まず両手を和音で演奏してみて、 手のポジションを正確に覚えることができたら 分散和音にして演奏すると、習得するまでの時間が短縮されるかと 思います。
3つの新練習曲 第1番
左右の異なる拍子を組み合わせて演奏する複合リズムの練習曲です。
曲想はかなりヒステリックでやるせない感情がほとばしっています。
エチュードの中では弾き易い部類に入りますので、初心者の方でも チャレンジしてみる価値はありそうです。
3つの新練習曲 第2番
第1番のエチュードと同様、複合リズムの練習曲です。
右手が3連符による和声的なパッセージを美しく演奏するように 心がける必要があります。
この曲もエチュードの中では弾き易い部類に入りますので 是非ともチャレンジしてみて下さい。
3つの新練習曲 第3番
レガートとスタッカートの演奏技法の練習曲です。
ショパンのワルツに近い性質があり、サロン風のとても 上品な一曲です。
中級者程度の方であれば十分演奏できるレベルです。
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