ショパンバラード全曲解説【動画付き】
バラードとは物語性をもった歌のことを指します。
シューマンの話によると、ショパンのバラードはミツキェヴィッチの詩からインスピレーションを 受けて作曲され、ショパン自身が詩を読んで得た印象を音楽で表現したものです。
ちなみに第1番はコンラードワーレンロッド、2番は魔の湖、3番は水の精、4番は不明 とされています。
バラードというタイトルが付されていますが、ショパンの溢れる情感や霊感を 盛り込むためにバラードという形式を創作したといっても過言ではないと 個人的に思っています。
このバラードは、ショパンの芸術家として絶頂に達したといえるほどの完成度の高さを 誇っています。
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ちなみに第1番はコンラードワーレンロッド、2番は魔の湖、3番は水の精、4番は不明 とされています。
バラードというタイトルが付されていますが、ショパンの溢れる情感や霊感を 盛り込むためにバラードという形式を創作したといっても過言ではないと 個人的に思っています。
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ショパンバラード第1番 OP.23
ショパンバラード第1番は、1831年から35年にわたって 作曲されました。
シューマンの絶賛を受けた曲でもあります。
バラードの中でも人気が非常に高く、ショパンコンクールでも 頻繁に演奏されています。
例えばショパンコンクール第6回の優勝者のポリーニも コンクールでこの曲を演奏しています。
「バラード」という標題は、ショパンがピアノ作品に 対して最も初めて用いた標題と言われています。
ポーランドの詩人アダムミツキェヴィチのバラッドに 霊感を得て作曲された物語風の音楽です。
この曲は、ユニゾンで曲が幕を開け、主題に入る直前に 不協和音が入り、フェルマーターで一瞬曲に空白が入る箇所がとても印象的です。
とても謎めいた雰囲気を醸し出す不協和音・・ この不協和音の存在は多大な演奏効果をもたらしていると個人的には思っています。
その後、ゆったりとした主題が始まります。
次第に背筋が凍りつくほどのおぞましいパッセージが登場します。
そしてなんといっても素晴らしいのはコーダです。
圧倒的な激しいパッセージが続くと思いきや、弱音の箇所が 現れ、また激しいパッセージが出てきて・・・という感じで 激情と静けさが最大のテーマとなります。 ショパンバラード第1番の練習方法について簡単に述べておきます。 ショパンバラード第1番の練習方法として効果的な方法を挙げるとすれば エチュードOP.10-10で徹底的に練習をしておくことです。
右手がくねくね回る柔軟性が鍛えられるため、バラード1番を クリアするために必要なテクニックが習得できるはずです。
ちなみにバラードの名演について問われることが多いのですが、 一般的なショパンファンが絶賛するのはツィマーマン版だといわれて います。
私の個人的な意見ですが、ケマルゲキチの演奏が史上最高の名演奏だと思っています。
ショパンコンクールの第11回の3次のステージで彼はこの曲を 演奏しましたが、とにかく凄まじいテンポの変化でヘトヘトに なってしまう部分もありましたが、劇的な演奏で 審査員や観客から相当話題になったそうです。
残念ながらコンクールライブのCDは現在廃番となってしまいましたが 音楽大学図書館などの録音室で聴くことができる可能性があります。
ショパンバラード第2番 OP.38
ショパンバラード第2番は1836年から1839年にかけて作曲されました。
のどかな田園の風景を思わせる、ゆったりとした平和な雰囲気の 旋律で曲はスタートします。
こののどかな旋律がこのまま続くのかと思っているのも束の間、 フェルマーターの記号の箇所で、一瞬曲が止まるのですが、 その直後にけたたましい悪夢のようなパッセージが登場します。
ノクターン第4番の構成にとても似ています。
この箇所こそ最大の演奏効果が出る箇所でもあり、 腕の見せ所でもあります。
再び平和な田園の雰囲気が登場するのですが、やはりコーダに 入ると、またあの悪夢のようなパッセージが登場します。
しかも前回より激しさを増して登場するため、緊張感は 尋常ではありません。
最後はゆっくりと悲しげに曲が幕を閉じます。
ショパンバラード第2番の練習方法として効果的な方法を挙げるとすれば エチュードの第7番OP,10-7を徹底的に引き込んでおくことだと 思います。
エチュードの第7番の右手の動きが、ほぼこの曲の中間部と コーダの箇所に的中するからです。
ショパンバラード第2番の名演についてですが、上記動画のように ショパンコンクール第10回で落選したポゴレリッチの演奏が とにかく素晴らしいです。
前半部分のテンポがかなり遅く、違和感を感じるかもしれませんが、 中間部の箇所及びコーダの出来栄えは見事としか言いようがありません。
かの有名なマルタアルゲリッチを唸らせた名演です。
是非とも聴いてほしいです。
ショパンバラード第3番 OP.47
ショパンバラード第3番は1840年から41年にかけて作曲されました。
パリの社交界を連想させるようなとても優雅な雰囲気の 曲想で、全体としてスケルツォに近い性質を持つのが特徴です。
とても洗練された一曲であるので、バラードの中でも人気のある 曲に入るでしょう。
曲の後半部分には、前半の優美さとは打って変わって、 陰鬱な箇所が出てきます。
このパッセージが終了すると、また優美な主題が 戻ってきて、さらに優美さに磨きをかけて 気分爽快に曲が終了します。
ショパンバラード第3番の難しい箇所といえば、左手の 演奏法です。
コーダに差し掛かると、かなり広範囲に渡って飛び回ることが多く、手が大きくないと 厳しいと思える箇所が見受けられます。
エチュード第9番OP.10-9で、その箇所を徹底的に鍛えることが できますので、苦手な方は、是非エチュードとセットで練習 しておくことをおすすめします。
ショパンバラード第3番の名演についてですが、ショパンバラードで名演と言われる録音を残した ツィマーマンです。
さすがショパンコンクール第9回で優勝しているだけあって スケールの大きい演奏を聴かせてくれます。
ツィマーマンの演奏は、なんといっても安心して聴いていられる というところが素晴らしい所です。
是非とも聴いてみて下さい。
ショパンバラード第4番 OP.52
ショパンバラード第4番は1842年から43年にかけて作曲 されました。
4曲中最難関と言われています。
ショパンコンクールではバラード4曲の中で、 なんと4番を選択する人が 圧倒的に多いというのには驚かされます。
ショパンバラード第4番名演ですが、上記動画のように ショパンコンクール第11回で優勝したブーニンの ショパンコンクールライブの録音です。
とにかく見事としか言いようのない完璧な出来です。
とてつもなく難しいコーダの箇所も、猛スピードで 突進して難なくクリアしてしまうのには驚かされました。
19才という若さでの演奏とは思えないほどステージ慣れしている 名演です。
幸い、コンクールライブの録音は今でも購入できますので 是非とも視聴してみて下さい。
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